公開日 2022年5月2日 最終更新日 2026年8月18日
マイホームを購入する方の約9割がお世話になる住宅ローン。日本には銀行からモーゲージバンクまで約1,200の取扱機関があり、商品数は4,500種類以上にのぼります。この膨大な選択肢の中から、自分たちにとってベストな一本を選ぶのは、正直に言って至難の業です。だからこそ、住宅ローンの選び方で最初につまずいてしまう方が後を絶ちません。
ネットの比較サイトを見ても、並んでいるのは金利の数字ばかり。ですが、住宅ローン選びで本当に差がつくのは金利だけではありません。そして何より、これまで多くの人が「売り手」からの情報だけで選んでしまい、後悔しているという現実があります。
この記事では、住宅購入の資金計画を専門とするファイナンシャルプランナー(FP)の視点から、まず過去に借りた人たちの4つのデータで「よくある失敗の正体」を明らかにし、そのうえで後悔しない住宅ローンの選び方を5つのステップで具体的に解説します。

1. データで読み解く|住宅ローン選びの「失敗の正体」
2026年8月更新
選び方の手順に入る前に、まず「過去に借りた人たちがどう選び、どう後悔したのか」を4つのデータで確認しましょう。ここに、住宅ローンの選び方で失敗しないためのヒントが詰まっています。
データ①|約8割が「変動型」を選択。しかし局面は変わった
住宅金融支援機構の実態調査(2026年1月調査)によると、これから住宅ローンを借りた人が選んだ金利タイプは変動型が75.0%、固定期間選択型が14.9%、全期間固定型が10.1%でした。依然として変動型が多数派ですが、注目すべきはその割合が前回調査から低下し始めている点です。長く続いた「変動一択」の空気に、変化の兆しが出ています。
データ②|76.5%が「売り手」から住宅ローンの情報を得ている
ここが、この記事でもっともお伝えしたいポイントです。ある調査では、住宅ローンの情報源として1位「住宅・販売事業者(営業職員・店頭など)」、2位「金融機関の店舗窓口」、3位「金融機関の営業職員」が上位を占め、これら「売り手」側からの情報収集が合計76.5%にのぼりました。
つまり、約4人に3人が、住宅や住宅ローンを「売る立場」の人から情報を得て金利タイプや借入先を決めているのです。売り手の説明が悪いわけではありません。ですが売り手は、その取引で利益を得る当事者です。どうしても「自社の物件を買ってもらう」「自行のローンを借りてもらう」という前提から話が始まります。公平・中立な情報にたどり着けていない人が、これだけ多いということです。
データ③|2.5人に1人が住宅ローン選びで後悔している
その結果はデータにも表れています。住宅ローン比較サービスの調査では、住宅ローン選びで後悔している人が44.0%——実に2.5人に1人という結果でした。とくに後悔の割合が高いのは40代。子育て期に入り、住宅取得時には想定していなかった教育費などの支出が重なり、返済の重さを実感する時期だからだと考えられます。
データ④|後悔の理由は「比較不足」と「金利タイプ」
後悔している理由で最も多かったのが「もっと金利の低い金融機関を選べば良かった」で42.7%、次いで「違う金利タイプを選べば良かった」で29.1%でした。金融機関やローン商品の比較検討が足りなかったこと、変動か固定かの判断や返済プランの立て方に納得感がなかったことがうかがえます。
2. ベストな住宅ローンの選び方|後悔しない5ステップ
約4,500種類の中から自分たちに合う一本を選ぶ、といっても闇雲に比較しては迷子になります。次の5つのステップの順番で進めるのが、遠回りのようでいちばんの近道です。
STEP 1「借りられる額」ではなく「返せる額」を先に決める
最初にやるべきは、商品選びではありません。自分たちが無理なく返せる額(適正な借入額)を先に固めることです。銀行が「貸せます」と言う額と、あなたの家庭が「無理なく返せる」額は、まったくの別物です。ここを飛ばして物件やローン商品から入ると、予算オーバーの入り口に立ってしまいます。教育費・老後資金・車の買い替えなどのライフプランから逆算して、返済額の上限を決めましょう。
STEP 2金利タイプ(変動・固定・ミックス)を家計から選ぶ
次に金利タイプです。ポイントは「どれがお得か」ではなく「わが家の家計は、どのタイプなら安心して眠れるか」で選ぶこと。それぞれの向き・不向きを整理します。
| 金利タイプ | 特徴 | 向いている家計 |
|---|---|---|
| 変動型 | 金利は低いが、将来上がる可能性。返済額が読みにくい | 収入に余裕があり、金利上昇を貯蓄や繰上げで吸収できる家計 |
| 固定型(全期間) | 金利は高めだが、完済まで返済額が変わらず読める | 教育費など支出が増える時期で、返済額を固定したい家計 |
| ミックス | 変動と固定を組み合わせ、リスクを平準化 | 「安心も低コストも」両取りしたい共働き世帯など |
STEP 3金利以外の「見えないコスト」まで比較する
データ④の「もっと比較すれば良かった」という後悔は、ここで防ぎます。住宅ローンの負担は金利だけでは決まりません。次の項目まで含めた「総支払額」で比較することが、失敗しない選び方の核心です。
- 事務手数料:借入額の「定率2.2%」か「定額」か。借入が大きいと定率は重くなる
- 保証料:無料の商品もあれば、数十万円かかる商品もある
- 団体信用生命保険(団信):がん・三大疾病など保障の範囲。金利上乗せの有無
- 繰上げ返済手数料:無料か有料か。将来こまめに返すなら効いてくる
STEP 4返済期間と繰上げ返済の計画をセットで考える
返済期間は「長くすれば毎月がラク」ですが、その分だけ総利息は増えます。近年は40年・50年ローンも増えていますが、完済時の年齢が老後に食い込まないかは要注意です。「毎月の返済額」と「完済時年齢」「総利息」のバランスを取り、無理があれば繰上げ返済でカバーする計画をセットで立てておきましょう。
STEP 5中立な第三者のセカンドオピニオンを入れる
最後のステップが、データ②「売り手情報に頼りすぎる」問題への答えです。STEP1〜4を自分で進めたうえで、取引で利益を得ない中立な第三者の視点を一度入れておくと、判断の精度が大きく上がります。売り手には言いにくい「その借入額は少し多いです」「この金利タイプは家計に合いません」を、はっきり言えるのが第三者の価値です。
「わが家にベストな住宅ローン」を一緒に見つけませんか
約4,500商品の中から、あなたの家計とライフプランに合う金利タイプ・借入額・返済計画を、住宅購入の資金計画を専門とするFPが中立の立場で一緒に組み立てます。特定の銀行の商品を売ることはありません。初回相談は無料・オンライン対応です。
3. 住宅ローンの選び方で「中立な立場」が重要な理由
4つのデータが示したのは、「売り手中心の情報収集」と「後悔」がつながっているという事実でした。住宅ローンは、これから20年・30年・35年と付き合う、人生でいちばん長い契約です。その入り口の情報が売り手に偏っていると、判断そのものが売り手の都合に引っ張られてしまいます。
住宅会社は建物を、銀行は自行のローンを——それぞれの専門は詳しくても、あなたの家計全体を横断して見る立場にはありません。教育費・老後・保険・車まですべてを同じテーブルに乗せ、「住宅ローンにいくらまで回せるか」を全体最適で判断できるのは、どの商品も売らない中立な第三者だけです。だからこそ、独立系(特定の金融機関に属さない)FPへの相談ニーズが年々高まっています。
まとめ|住宅ローンの選び方は「中立」と「比較」で決まる
約1,200社・4,500商品の中から、自分たちにベストな住宅ローンを選ぶための要点を整理します。
| ステップ | やること |
|---|---|
| STEP1 返せる額を決める | 「借りられる額」ではなくライフプランから逆算した「返せる額」を先に固める |
| STEP2 金利タイプを選ぶ | お得さではなく「わが家が安心して眠れるか」で。上昇局面はストレステスト必須 |
| STEP3 総支払額で比較 | 金利だけでなく手数料・保証料・団信・繰上げ手数料まで含めて比較 |
| STEP4 期間と繰上げ | 完済時年齢と総利息のバランス。繰上げ原資はボーナスに頼らない |
| STEP5 中立の第三者へ | 売り手に偏らない視点でセカンドオピニオンを入れる |
過去のデータが教えてくれるのは、「売り手」中心の情報収集では、自分に合った金利タイプや返済プランを冷静に見極めきれないということ。あこがれのマイホームを手に入れた後も、お金に困らず理想の暮らしを続けるために、公平・中立な立場からの情報で、しっかり比較して選ぶこと。それが、後悔しない住宅ローンの選び方の答えです。
大阪・神戸・京都・奈良でマイホームをご検討の方へ
最適な住宅ローン選びは、株式会社Erwinの運営する「マイホーム購入の相談窓口」へ。独立系の住宅専門FPが第三者の中立な立場で、住宅ローンの選定から住宅会社・不動産会社選び、無理のない資金計画まで、ゼロからの家づくりを全面サポートします。「売り手」とお客様のミスマッチをなくすことをモットーに、後悔のない家づくりを応援します。

株式会社Erwin 代表取締役
マイホーム購入の相談窓口 代表、ファイナンシャルプランナー、住宅ローンアドバイザー、住宅FPエキスパート。不動産購入相談をはじめとして、住宅予算診断、住宅ローンなど、第三者の立ち位置から顧客の人生を考えた上でのアドバイスを行っている。不動産に関わる知識や税務などのライティングに携わる。



