「大阪市の中古マンション相場はいくらくらい?」「ここ数年で上がりすぎていないか」「この先、価格は下がるのか」——大阪市内で中古マンションを探し始めた方から、こうしたご相談を多くいただきます。このガイドは、物件を売る立場ではなく、住宅購入の資金計画を専門とするFP(ファイナンシャルプランナー)の視点から、近畿レインズの成約データをもとに大阪市の相場を整理したものです。
結論からお伝えすると、2026年9月の大阪市の中古マンション成約価格は平均4,385万円。10年前の約2倍の水準です。ただし2026年に入ってから成約件数は前年を下回り続けており、売り手の希望価格と実際に売れた価格の差も広がっています。「上がり続ける相場」から「様子見の相場」へと、潮目が変わりつつあるのが今の大阪市です。
1. 大阪市の中古マンション相場【2026年最新】
近畿レインズの成約データをもとに、大阪市の相場を整理します
まずは、大阪市全体の最新の相場を確認しましょう。近畿圏の不動産会社が実際の取引を登録する「近畿レインズ」の月次データでは、次の水準です。
| 項目 | 2026年9月 | 前年同月比 |
|---|---|---|
| 成約価格(平均) | 4,385万円 | ±0.0% |
| 成約㎡単価 | 73.47万円/㎡ | +1.3% |
| 70㎡に換算した価格 | 約5,140万円 | - |
| 成約件数 | 383件 | -26.8% |
※出典:近畿レインズ「マンスリーレポート」2026年9月度。70㎡換算は成約㎡単価×70㎡で算出した目安です。
価格は前年並みを保っている一方で、成約件数は前年より約3割減っています。価格が高くなりすぎて買い手が慎重になっている状態で、2026年2月から8か月続けて件数が前年を下回りました。7月・8月には成約価格も前年を下回っており、価格の勢いには一服感が出ています。
2. 大阪市の中古マンション価格推移|10年で約2倍に
次に、長い目で見た価格の動きです。大阪市の中古マンションの年間平均成約価格は、2015年から2025年までの10年間、一度も下がらずに上がり続けてきました。
| 年 | 平均成約価格 | 前年比 |
|---|---|---|
| 2015年 | 2,189万円 | +3.2% |
| 2017年 | 2,506万円 | +4.4% |
| 2019年 | 2,817万円 | +6.0% |
| 2021年 | 3,186万円 | +7.6% |
| 2023年 | 3,594万円 | +7.8% |
| 2024年 | 3,926万円 | +9.2% |
| 2025年 | 4,276万円 | +8.9% |
※出典:近畿レインズ「年刊市況レポート」の大阪市の数値(暦年)。2年おきに抜粋しています。
【Erwin独自集計】大阪市の中古マンション㎡単価(中央値)の推移
単位:万円/㎡。点にカーソルを合わせると数値を表示(スマホはタップ)
※国土交通省「不動産情報ライブラリ」の取引価格情報(中古マンション等)をもとに株式会社Erwinが集計。中心6区=北・中央・西・福島・天王寺・浪速区。
国の取引データを独自に集計した中央値で見ても、2016年から2025年にかけて、大阪市全体の㎡単価は40.0万円から75.0万円へ、中心6区は52.9万円から85.7万円へ、周辺18区は30.8万円から52.9万円へと上がっています。
10年で約95%上昇し、ほぼ2倍になりました。特に2023年以降は年8〜9%のペースで上がっています。背景には、新築マンション価格の高騰で中古に買い手が流れたこと、梅田や中之島などの再開発、インバウンド需要による地価の上昇、そして長く続いた低金利があります。
3. 区別の相場比較|中心6区と主な住宅地
大阪市の相場は、区によって大きく異なります。近畿レインズの2025年度(2025年4月〜2026年3月)のデータで、中心6区と、実需層に人気の住宅地を比べてみましょう。
中心6区(北・中央・福島・西・天王寺・浪速)
| 区 | 平均成約価格 | ㎡単価 | 坪単価換算 | 地価変動率 (住宅地) |
|---|---|---|---|---|
| 北区 | 7,332万円 | 119.26万円 | 約394万円 | +7.3% |
| 中央区 | 6,037万円 | 106.90万円 | 約353万円 | +9.6% |
| 福島区 | 5,682万円 | 94.51万円 | 約312万円 | +9.3% |
| 西区 | 5,332万円 | 89.00万円 | 約294万円 | +8.1% |
| 浪速区 | 3,703万円 | 82.53万円 | 約273万円 | +9.0% |
| 天王寺区 | 4,744万円 | 77.98万円 | 約258万円 | +10.7% |
実需層に人気の住宅地(例)
| 区 | 平均成約価格 | ㎡単価 | 坪単価換算 | 地価変動率 (住宅地) |
|---|---|---|---|---|
| 阿倍野区 | 4,619万円 | 66.02万円 | 約218万円 | +6.6% |
| 都島区 | 3,383万円 | 51.36万円 | 約170万円 | +9.0% |
| 鶴見区 | 3,616万円 | 51.22万円 | 約169万円 | +7.8% |
| 東成区 | 2,768万円 | 50.81万円 | 約168万円 | +8.3% |
| 城東区 | 3,185万円 | 48.59万円 | 約161万円 | +8.4% |
| 淀川区 | 2,431万円 | 46.11万円 | 約152万円 | +8.1% |
| 大阪市全体 | 4,332万円 | 72.03万円 | 約238万円 | +6.7% |
※成約価格・㎡単価は近畿レインズ「年刊市況レポート」2025年度の区別集計。坪単価は㎡単価×3.3058で換算。地価変動率は大阪市「令和8年地価調査」(2026年7月1日時点)の住宅地の平均。いずれも全築年の平均で、物件の築年数・広さによって大きく変わります。
中心6区の中でも、北区と天王寺区では㎡単価に1.5倍以上の差があります。また、都島区・城東区・東成区・鶴見区などは中心6区の半分前後の㎡単価で、梅田や本町へのアクセスも比較的良いため、子育て世帯の実需に人気です。
4. 【Erwin独自集計】築年数・駅距離でみる大阪市の㎡単価
区の平均は、タワーマンションや築浅物件の取引の多さに左右されます。そこでErwinでは、国土交通省「不動産情報ライブラリ」の成約データ1万1,325件(2024年7月〜2026年6月)を区・築年数ごとに集計し、実際の購入判断に使いやすい「中央値」を出しました。
区×築年数別の㎡単価(中央値)
| 区 | 築10年 以内 |
築11〜 20年 |
築21〜 30年 |
築31年 以上 |
件数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 北区 | 144.5 | 100.0 | 71.4 | 43.1 | 1,558 |
| 中央区 | 126.7 | 82.5 | 67.3 | 43.8 | 1,579 |
| 福島区 | 97.4 | 97.5 | 65.9 | 40.7 | 484 |
| 西区 | 116.7 | 87.3 | 64.3 | 43.1 | 1,089 |
| 天王寺区 | 96.8 | 87.1 | 60.0 | 44.4 | 622 |
| 浪速区 | 72.0 | 82.0 | 60.0 | 37.3 | 349 |
| 阿倍野区 | 74.0 | 75.4 | 55.1 | 40.0 | 407 |
| 都島区 | 68.6 | 70.0 | 52.0 | 37.6 | 473 |
| 城東区 | 68.6 | 58.7 | 53.3 | 31.6 | 634 |
| 東成区 | 68.0 | 55.7 | 48.0 | 32.2 | 203 |
| 鶴見区 | 66.7 | 53.3 | 51.3 | 35.0 | 244 |
| 淀川区 | 64.0 | 57.0 | 47.1 | 30.8 | 890 |
| 大阪市全体 | 100.0 | 70.0 | 55.0 | 32.5 | 11,325 |
※単位:万円/㎡(件数を除く)。国土交通省「不動産情報ライブラリ」の成約価格情報(中古マンション等、2024年第3四半期〜2026年第2四半期)をもとに株式会社Erwinが集計。
同じ北区でも、築10年以内の㎡単価144.5万円に対し、築21〜30年は71.4万円とほぼ半分です。70㎡に換算すると、北区の築21〜30年は約5,000万円、天王寺区・浪速区の築21〜30年なら約4,200万円が中央値の目安になります。「中心6区は手が届かない」と思われがちですが、築年数を20〜30年に広げれば、世帯年収800〜900万円台でも現実的な選択肢になります(7章の早見表もあわせてご覧ください)。
駅からの距離で、㎡単価はどれだけ変わるか
【Erwin独自集計】駅徒歩分数別の㎡単価指数
同じ区・同じ築年数帯の中央値を100とした指数
※国土交通省「不動産情報ライブラリ」の成約価格情報(同上)をもとに株式会社Erwinが集計。区と築年数の違いの影響を除くため、同じ区・同じ築年数帯の中央値に対する比率で比較しています。
区と築年数をそろえて比べると、駅徒歩5分以内の物件は、11〜15分の物件より約13%高く取引されています。16分以上になると、5分以内より約2割低い水準です。駅からの距離は、購入時の価格だけでなく、売却時の売りやすさにも直結します。
出典:国土交通省 不動産情報ライブラリ(https://www.reinfolib.mlit.go.jp/)のデータをもとに株式会社Erwinが加工・作成
5. 2026年に起きている市場の変化
10年続いた上昇に、2026年は変化が見えてきました。購入を考えるうえで知っておきたい3つの動きを紹介します。
変化1:成約件数が8か月連続で前年割れ
大阪市の成約件数は、2026年2月から9月まで8か月続けて前年を下回りました。9月は前年より26.8%少ない383件です。価格が高くなり、買い手が慎重になっていることの表れです。
変化2:売り出し価格と成約価格の差が広がっている
中心6区では、9月の売り出し価格の平均が7,849万円だったのに対し、実際の成約価格は6,046万円でした。その差は1,802万円で、1年前の882万円から2倍に広がっています。売り手は強気の価格で出している一方、その価格では売れにくくなっている状態です。
変化3:金利の上昇
日銀は2026年6月と9月に利上げを行い、政策金利は1.25%になりました。住宅ローンの変動金利も上がり始めており、同じ年収でも借りられる額、無理なく返せる額は以前より小さくなっています。
6. 今後の見通し|大阪のマンション価格はいつ下がる?
「大阪のマンション価格はいつ下がるのか」は、ご相談で最も多い質問の一つです。結論から言うと、下がる時期をデータから言い当てることはできません。そのうえで、価格を支える材料と、押し下げる材料を整理しておきます。
| 価格を支える材料 | 価格を押し下げる材料 |
|---|---|
| 大阪市24区すべてで住宅地の地価が上昇(2026年地価調査) | 日銀の利上げで政策金利が1.25%に。ローン金利も上昇傾向 |
| 大阪市の人口は約282万人で、2020年の国勢調査から増加が続く | 成約件数の減少が続き、買い手が慎重になっている |
| うめきた(グラングリーン大阪)、なにわ筋線、夢洲のIRなど再開発が続く | 売り出し価格と成約価格の差が拡大し、在庫がたまりやすい |
| 建築費の高騰で新築が高く、中古に買い手が流れる | 新築・中古とも価格が年収の伸びを上回り、買える層が限られてきた |
参考になるのが東京の動きです。東京23区では、成約件数の減少がしばらく続いたあとに価格が下がり始めました。大阪市でも、件数の減少が続くかどうかが、価格の行方を見る手がかりになります。ただし、大阪市は人口と世帯が増え続けており、地価も上がっているため、急落よりは「上昇が止まり、物件によって差がつく」展開を想定しておくのが現実的です。
7. 年収別|大阪市で無理なく買える価格の目安
相場がわかったら、次はご自身の予算です。「借りられる額」ではなく、年収に対する返済の割合(返済比率)20%を目安に、無理なく返せる額から逆算してみましょう。
※あくまで簡易試算です。実際の借入可能額・返済計画は、金融機関の審査や家計状況によって異なります。
年収別 目安早見表(変動1.2%・35年・頭金10%)
| 年収 | 無理のない借入額 | 月々返済額 | 目安購入価格 |
|---|---|---|---|
| 500万円 | 約2,860万円 | 約8.3万円 | 約3,150万円 |
| 600万円 | 約3,430万円 | 約10.0万円 | 約3,770万円 |
| 700万円 | 約4,000万円 | 約11.7万円 | 約4,400万円 |
| 800万円 | 約4,570万円 | 約13.3万円 | 約5,030万円 |
| 900万円 | 約5,140万円 | 約15.0万円 | 約5,650万円 |
| 1,000万円 | 約5,710万円 | 約16.7万円 | 約6,280万円 |
大阪市全体の平均(70㎡換算で約5,140万円)に届くのは、この試算では世帯年収800万円台からです。一方、都島区・城東区・東成区などの平均(3,200万〜3,600万円台)なら、年収500〜600万円台でも選択肢に入ります。中心6区で70㎡を狙う場合は、頭金を厚くするか、エリア・築年数・広さを調整するのが現実的です。
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8. 人口と世帯から見る大阪市の住宅需要
価格の土台となる住宅の需要を、人口と世帯の数で確認しておきます。大阪市の推計人口は2026年6月1日時点で281万8,036人、世帯数は160万1,543世帯です。2020年の国勢調査の275万2,412人から、約6万5千人増えています。
| 区 | 人口 | 世帯数 |
|---|---|---|
| 北区 | 150,266人 | 96,110世帯 |
| 中央区 | 119,601人 | 78,929世帯 |
| 西区 | 116,168人 | 74,417世帯 |
| 天王寺区 | 88,365人 | 48,423世帯 |
| 浪速区 | 87,144人 | 66,257世帯 |
| 福島区 | 84,872人 | 48,845世帯 |
※出典:大阪市「推計人口」2026年6月1日現在。
中心6区は、1世帯あたりの人数が少ないのが特徴です。たとえば北区は約1.56人、浪速区は約1.32人で、単身や夫婦二人の世帯が多くを占めます。一方、天王寺区や福島区は約1.7〜1.8人で、ファミリー層の割合が比較的高くなっています。単身・DINKs向けのコンパクトな物件が多い区と、ファミリー向けの広い物件が見つけやすい区があることを、エリア選びの参考にしてください。
9. よくある質問(FAQ)
まとめ——大阪市の中古マンション相場と購入の考え方
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 最新の相場 | 2026年9月の平均成約価格4,385万円、㎡単価73.47万円(70㎡換算で約5,140万円) |
| 10年の推移 | 2015年から2025年で約95%上昇。上昇の中心は築浅物件 |
| 区別の差 | 北区の㎡単価は119万円台、都島区・城東区などは50万円前後と2倍以上の差 |
| Erwin独自集計 | 北区でも築21〜30年は㎡71.4万円(70㎡で約5,000万円)。駅徒歩5分以内は11〜15分より約13%高い |
| 2026年の変化 | 成約件数は8か月連続で前年割れ。売り出し価格との差が拡大し、交渉余地も |
| 今後の見通し | 時期は読めない。急落より「物件ごとに差がつく」展開を想定 |
| 予算の考え方 | 「いつ買うか」より「いくらまでなら無理なく返せるか」を先に決める |
大阪市の中古マンション相場は、10年続いた上昇から、件数が減り価格の勢いが落ち着く局面に入りつつあります。こうした時期は、焦って高値で買う必要も、下がるのを待ち続ける必要もありません。ご自身の家計で無理なく返せる額を決め、その範囲で条件の良い物件を、成約価格を確かめながら選ぶことが、後悔しない購入につながります。
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初回無料相談について見る出典・参考
- 公益社団法人 近畿圏不動産流通機構(近畿レインズ)「マンスリーレポート」「年刊市況レポート」
- 大阪市「推計人口」「地価調査」
- 国土交通省「不動産情報ライブラリ」(取引価格情報・成約価格情報。4章・2章のグラフはこのデータをもとに株式会社Erwinが加工・集計)

株式会社Erwin 代表取締役
マイホーム購入の相談窓口 代表、ファイナンシャルプランナー、住宅ローンアドバイザー、住宅FPエキスパート。不動産購入相談をはじめとして、住宅予算診断、住宅ローンなど、第三者の立ち位置から顧客の人生を考えた上でのアドバイスを行っている。不動産に関わる知識や税務などのライティングに携わる。



